【支援者を取り巻く問題3】支援団体の選び方を広告から考える

不登校、引きこもりの支援活動は公的機関やNPOなどが中心となってやっているが、民間団体や企業も学習塾の延長や、フリースクールといった形で参入している。

きっとグーグル検索でこのブログに辿り着いたあなたも、不登校とか引きこもりのようなキーワードで普段から情報収集をしていると、その手の広告を見たことがあるだろう。もっとも、このブログもグーグルによる広告を表示しているので、そうしたスクールなどの広告が掲載されている可能性は高い。これは見る人が普段検索しているキーワードや見ているサイト、そしてこのブログとの関連でどの広告が表示されるかが決まってくるので、おそらく不登校とか発達障害とか引きこもりとかの分野に関連する広告が表示されることが多いだろう。

もちろん、これらの広告は私や私の過去に関わった仕事とは一切関係ない。関係ないが、あなたにとってもし有益だったとしたら幸いである。

広告にお金をバンバン使えるということはどういうことか

実績や規模と広報に費やしている予算を見比べておこう

グーグルアドセンスという、このような広告には表示されたりクリックされたりすると課金される仕組みになっており、特にクリックされると発生する料金というのは皆さんが思っているより高かったりする。内容を明かすのは私もこれを掲載している関係で機密事項に触れるのでやらないが、零細企業やボランティア系の団体がどんどん使っていく、というのはノウハウ的にも予算的にも厳しいだろう。というか、素人が手を出してすぐにうまくやれます、というほど簡単でもない。広告を出稿する側は色々工夫しないとあっという間に多額の予算を使い切ってしまい、工科を引き出せずに終わる。これを上手にコスパを高めて回していくには外注するか、団体内に専門家を雇ったり育てるかのどちらかだ。

正直、教育畑にずっといた人がこの手のウェブマーケティングをうまく使いこなしたり、本人が深く理解しているケースは稀だ。広告露出が多ければ多いほど、外注できる予算をたくさん確保していると考えられる。

それと、これはウェブコンサルタントとしての意見だが、補助金、助成金、公費で運営している場合、この手の広告は許可を得るまでに結構苦労すると思われる。パンフレットを作成しますので30万円ください、というより、AdWordsに広告を出しますので10万円ください、のほうがすごく難易度が高いのではなかろうか。予算を組む側がその費用対効果を算出できず、また提案者もやってみなけりゃわからない、のレベルであることが容易に想像できるからだ。

一方、広報に力を入れている学校法人や民間企業、それもそこそこ規模が大きいと思われるところはこの手のものは外注するなどして予算を使っている。それはそれで適切なマーケティングだと思う。

ちょっと立ち止まって考えてみたいのは、収益モデルが会費と寮費が殆どを賄っていて、それほどスケールが大きくないにもかかわらずバンバン広報活動をしているような団体だ。他に事業があって、のことならわからんでもないが、収益が利用者からの支払いだけでは、非常に高額なのか、大人数を囲い込んで手が回らないという問題があるかもしれない。一概に批判するつもりはないが、ちょっと立ち止まって考えてほしい。

 

引きこもり治ります、不登校は治りますという言葉に注意

治す、直すというほど簡単じゃないよ

こういう煽るような広告が確認され次第このブログに表示されないようにブロックしていくようにはしているが、とにかくこういう文言がネット上に躍っている。私の持論として、不登校も引きこもりも病気でもなければ病名でもないのでなおすという発想自体が間違っているというのがある。直すべきなのは生活習慣とか、ストレス源の処理とか、親子関係とか、学校の指導法とか、そういうところではないだろうか。環境を整え直し、十分休養し、精神的に落ち着いて、体を動かしていけばやがて健康を取り戻し、あと一歩で勇気を出せれば不登校も引きこもりも関係なくその人の人生は取り戻せる。勉強はその後でも間に合う。

そしてそういう問題を直すのは支援者ではなく、本人、そして親だ。重要だから文字を太くするけど。

指導者、支援者は不登校や引きこもりの当事者にとって大きく悪影響を与える可能性はあっても、大きく好影響を与えることは保証できないし、支援者側が自分たちが当事者にいい影響を与えられると言い切るのは傲慢な発想である。お互い人間同士、相性もあるのでどうやったってうまく行かなかったケースが有るはずだ。へたすると、そういうタイプに対しては強迫的になったり放置したりしているのではないか。基本的に支援者というのは裏方であり黒子であり当事者にとって触媒であれば十分だ。そっと寄り添うことが重要だ。

 

支援団体選びで少し考えておきたいこと

ただし持続性発展性に欠ける団体も多く乱立し食い合っているのも現実 その中で経済的な仕組みづくりができる団体は稀有な存在

普通にやると、非常に気長に根気よく関わっていかなければならない支援活動は、一般家庭が「顧客」なので、常識的な利用料では経営が難しい。指導できる人数は学習塾などと比較してもかなり少なく見積もる必要がある(だから多額の広告料をつぎ込むことが構造的に難しいのだ)。なので公的機関や補助金によって活動する団体がそれを担うのが自然といえば自然だ。サポート校や通信制高校は教育を行うのでその付加価値が成立するが、フリースクールは利用料を高額にするか、公的支援でどうにか、というケースが多いだろう。学習塾の昼の間合い運用というパターンは比較的安心できるのではないかと思う。

一方、福祉畑の一部にはどうにも収益構造について真面目に考えることを金儲けだと感じて忌避する人達がいる。それで非常にスケールの小さな活動、ボランティアによって維持するような仕組みになりがちだが、その持続性となると非常に難しい部分である。本業や別の事業で十分収益を得ている人たちにしかできない。じゃあ、他にどんな動機があるの、となると、結局政治とか、宗教とか、そういう事になってくる。いいか悪いかは知らんが、そういう動機でもないとなかなか続けられない。

そうしたなかで、団体と経済の関係をうまく作り上げて、農産物の販売などで就労訓練と地域産業への貢献、収入の獲得を実現している例も少なくない。私はそのような仕組みづくりができるような団体は素晴らしいと思う。それによって利用料を抑えながら、収益を獲得することが実現しているのだ。自分たちの給料を低く抑えてでも活動を続けている団体には頭が下がる。そういうモデルはなかなか真似できることではないが、だからこそ特筆すべき存在と言えるだろう。

まずは公的団体からスタートしよう

どんな事情での支援を受けるにしても、まずは自治体が運営しているところからスタートすることを勧めたい。市や県あるいは教育委員会でそれぞれ窓口を設けている。名古屋市だったら、「名古屋市ひきこもり地域支援センター」とか、「名古屋市子ども・若者総合相談センター」とか、各保健所の相談窓口がある。いきなり全寮制のスクールに放り込むとか、特定のカウンセラーにすべておまかせする前に、一度はこのような公的な窓口にて相談することをおすすめする。偏った見方に陥るリスクを避けることができよう。

それに、この手の分野でも、セカンドオピニオンは重要だ。複数名の専門家に相談し、総合的に判断することもまた状況を正しく理解し、行動するために役立つだろう。

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